リクニス・コロナリアの花

 シルバーリーフとなれば、シロタエギクとフランネルソウというのが今風の常識。湾岸地域でもこれら二つが目立っています。

 ナデシコ科のリクニス・コロナリアはアフリカ北西部、ヨーロッパ南東部から中央アジアなどが原産地で、その外観から「フランネルソウ」と呼ばれ、白い綿毛に覆われた、柔らかくて厚みのある葉が特徴です。昔はフランネルを「ネル」と呼び、冬用のシャツや寝巻きに使っていたのを私も憶えています。

 濃いローズの花がポピュラーで、花弁にもビロードのような質感があります。リクニスはギリシャ語のlychnos(ランプ、炎)に由来し、コロナリアは「花冠のような」の意味。和名のスイセンノウ(酔仙翁)は、ほろ酔いの仙人を連想した名前。

 日本へは江戸末期に入りました。乾燥したやせ地でもよく育つ多年草ですが、高温多湿の蒸れに弱く、環境条件によっては寿命が短くなるため二年草として扱うことがあります。常緑性(?)で、冬もシルバーリーフとして利用できます。