ブッソウゲの花

 ブッソウゲはアオイ科フヨウ属の低木。沖縄では「赤花」と呼ばれる。中国南部原産、インド洋諸島の雑種植物など諸説あるが、原産地は不明。日本本土への渡来は、慶長年間(1610年頃)に薩摩藩島津家久琉球のブッソウゲを徳川家康に献じたのが最初。和名の「扶桑華」は漢名の扶桑に華という一字を加えたもので、「扶桑」は南方に産する木のことで、中国の東方、日の出るあたりの海中にある神木のこと。その方角から日本と推測できる。また、「仏桑華(花)」は菩薩花(ぼさつばな)とも言われ、琉球では死者の冥土での幸福を願い、墓地によく植えられている。

 今ではブッソウゲよりハイビスカスと呼ばれることがほとんどである。ハワイでは生垣などに、最も多く植栽される低木で、南国をイメージさせる花である。日本では鉢植えなどで親しまれ、改良されて赤以外にもピンクや朱色、黄色の品種もある。ハワイのハイビスカスはブッソウゲよりも大輪の花をつけるものが多い。これらは、ハワイで交配によって作り出された園芸品種群である。

*画像は鉢植えのブッソウゲ