春空を めがけて梅花 咲き占める

 辰巳の森緑道公園は桜並木で有名なのだが、三つ目通りの反対側には小さな梅林があり、そこの梅の花が桜に先んじて咲き出している。「梅」は品種が多く、中国からの渡来種のほか、日本では江戸時代にたくさんの品種の育成・改良が行われ、現在では300種以上あると言われる。

 既にここでも梅の花を記した。園芸学的には、梅は花の観賞を目的とする「花梅(はなうめ)」と、実の採取を目的とする「実梅(みうめ)」に分けられる。花梅は「3系9性」に分類され、実梅には南高、古城(ごじろ)、玉梅などがある。公園の梅は豊後(ブンゴ)と思われる。豊後の原産地は大分県で、分類上は変種で、杏(アンズ)に近い性質をもつ。花径が4センチくらいある大輪で、淡い紅色を帯び、萼が少し反るのが特徴である。

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