5月21日に梅雨時の花としてビヨウヤナギとキンシバイについて述べました。ビヨウヤナギは約300年前に中国から渡来した木で、5~7月に直径5センチ程度の花を枝先に数個ずつ咲かせます。枝先がやや垂れ下がる樹形で、葉がヤナギに似ているのでビヨウヤナギと呼ばれますが、ヤナギの仲間ではありません。中国では金糸桃と呼ばれ、未央柳というのは日本でつけられた名前。
ところで、キンシバイとビョウヤナギの間を埋める植物はあるのでしょうか。キンシバイの園芸種の一つがヒペリカム・カリシナムで、それに似た種がアンドロサエマム。この別名が小坊主弟切(コボウズオトギリ)。ヒペリカムの仲間には有名なキンシバイやビョウヤナギ(いずれもオトギリソウ科)があり、種類が多岐にわたりますが、園芸店で「ヒペリカム」と呼ばれるのは、常緑で花や斑入り葉を楽しむヒペリカム・カリシヌム(西洋金糸梅)と落葉~半落葉樹で主に実を楽しむヒペリカム・アンドロサエマムです。アンドロサエマムは、最近実の色の鮮やかな改良品種が出回るようになって注目されています(画像)。
カリシヌムの花はやや大きく、アンドロサエマムは小さな花です。キンシバイとビョウヤナギの間にこれら二つを挿入すると、連続的なつながりが見えてきます。