Parallel Olympic Games

 古代オリンピックは紀元前776年に古代ギリシアオリンピアで始まります。オリンピアはゼウス神の聖地であり、ゼウス神に捧げる競技祭として4年ごとに開かれました。古代ギリシアではポリス間で始終争いが起こっていて、祭典のために「エケケイリア(聖なる休戦)」と呼ばれる休戦期間を設けました。平和の祭典というより、戦争を休むためのお祭りだった訳です。現代オリンピックはピエール・ド・クーベルタン男爵によって1896年第1回大会がアテネで開催された。クーベルタンが考えたオリンピックは、単なる「スポーツの祭典」ではなく、精神の発達を願う芸術祭も含んでいました。

 パラリンピックの原点は1948年のロンドン大会の開会式の日に病院内でアーチェリー大会を開いたことにあります。1979年の大会では脊髄損傷者だけではなく、視覚障害者や切断の選手も出場するようになり、1980年の大会では脳性麻痺の選手の出場が認められます。パラリンピックの「パラ」の意味は、下半身麻痺を表す「パラプレジア(Paraplegia)」が由来でしたが、1985年に「もう一つの」という意味で「パラレル(parallel)」に変わりました。パラリンピックとは、「もう一つのオリンピック」という意味であり、1988年のソウル大会から正式名称になっています。

 「パラレル」には「もう一つ」だけでなく、「並行する、平行の」といった意味もあり、「並行宇宙」のように「並行オリンピック」を考えることができます。様々な意味で、将来のオリンピックを考える際に、「並行オリンピック」をヒントにすることができます。