サルビアの花

 シソ科アキギリ属のサルビア(Salvia splendens)はブラジル原産。和名はヒゴロモソウ(緋衣草)で、燃え立つような濃い鮮やかな赤色の花が群れ咲く様子を彷彿させる。サルビア属は900種ほどありますが、最もポピュラーで親しまれているのはこの赤い花を咲かせるサルビア・スプレンデンスで、サルビアの代表種。濃緑色のハート形の葉が密に茂り、花は長い穂になって下から咲き上がり、萼も美しく色づき、花が散ったあともしばらく残る。

 サルビアは明治時代に日本へ渡来。日本で普及している園芸品種は高さ30~50㎝程度の1年草である。品種が多く、類似種にはベニバナサルビアがある。サルビア(salvia)は英語では「セージ(sage)」で、抗酸化作用や消化促進、解熱などの効果があることから、古代ローマ時代から薬草として用いられてきた。

 ラテン語で健康、良い状態を意味する「salvus」がサルビアの語源で、それが英語の「sage(賢人)」へ変化した。日本語でも最近はひごろも(緋衣)が岩崎宏美のアルバム名「緋衣草(さるびあ)」や女性の名前「ひい、ひえ」へと変化している。