12月のミモザの花

 台場を歩いていると、不意を突くかのように黄色のミモザの花が飛び込んでくる。青空と花の色のコントラストに暫し圧倒され、ミモザの花は早春の筈だと思いながらも、花の咲く時期が奔放なミモザを思い出す。ミモザマメ科アカシア属の常緑性高木。ミモザの仲間のアカシア属の植物は、オーストラリア、アフリカ、アジア、アメリカの太平洋地域に約1350種が分布し、多くはオーストラリアで発見されている。日本で「ミモザ」と呼ぶのは「ギンヨウアカシア」や「フサアカシア」。日本へは明治時代末期に渡来。

 私が中学生の頃に西田佐知子の「アカシアの雨」が街に流れていた。その歌詞は「アカシアの 雨にうたれて このまま 死んでしまいたい」で始まる。「アカシアに降る雨にうたれて」と思い込み、疑問などもたなかった。それが「雨のようにニセアカシアの白い花が散る中で」という意味だと知ったのは随分後になってからだった。歌詞のアカシアはミモザではなく、ニセアカシアで、和名がハリエンジュ(針槐)。

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