緊急記者会見

 昨夜は小池都知事の記者会見に専門家会議の西浦北大教授、国際感染症センター長の大曲先生が同席した。小池知事は感染拡大を押さえられるかどうかの重大局面だと強調し、クラスター対策班の立場から西浦教授が、感染経路が不明な症例のうち、夜間から早朝にかけて営業しているバー、ナイトクラブ、酒場など、接客を伴う飲食業の場で感染した事例が多発していて、感染のリスクが高い三つの密が濃厚な形で重なる場であり、出入りを控えるようお願いしたい、特に若者にはカラオケ、ライブハウス、中高年にはバー、ナイトクラブなど接待を伴う飲食店に行くのは当面控えてほしいと訴えた。行政、感染症対策、医療の三つの立場から東京都の現状と今後の対応が示され、わかりやすい会見だった。

 Yahooニュースではずっと中継していたのだが、フジのプライムニュースは小池知事の話を中継するだけで、その後の西浦さんらの話は中継なし。何とも不勉強なキャスターは出席した武見議員に西浦教授が会見の場にいる意義を説明される始末。また、TBSの報道19|30もほぼ同じで、自民党の対策本部長の話などより会見内容を伝えてほしかった。9時のNHKニュースも日本のコロナ対策の要である西浦教授は登場せず、10時のテレ朝のニュースには僅かに顔を出す程度。西浦教授に「これまで日本がやってきたこと、現状、そしてこれからどうするか」を語ってもらえば、余計な話はいらない。

 同じ日の日本医師会の緊急記者会見で、やはり専門家会議のメンバーである釜萢敏(かまやちさとし)常任理事は、専門家会議のメンバーはもう緊急事態を宣言したほうが良いという意見でほぼ一致していると述べている。専門家会議の方々は自らの経験と知識を信じ、もっと積極的にそれらを前に出し、政治家やジャーナリストをリードしてほしい。専門家会議の直接の説明こそが安倍首相や小池都知事以上の説得力を持っていると思うのは私の偏見だろうか。