セイタカアワダチソウ

 セイタカアワダチソウ(背高泡立草)はキク科アキノキリンソウ属の多年草。北アメリカ原産で、日本に観賞植物として導入された帰化植物外来種)。ススキなどの在来種と競合する。河原や空き地などに群生し、高さは1 - 2.5m、11月頃まで花をつける。アキノキリンソウ属は世界で約100種が知られていて、日本で急に増えたのは戦後である。アメリカ軍の輸入物資に付いていた種子が広がり、昭和40年代以降には関東以西から九州まで大繁殖するようになった。

 昭和40年代、アレロパシー効果でススキ等その土地に繁殖していた植物を駆逐し、モグラやネズミが長年生息している領域で肥料となる成分が多量蓄積していた地下約50㎝の深さまで根を伸ばし、そこにある養分を多量に取り込んだ。その結果、セイタカアワダチソウは背が高くなり、平屋の民家が押しつぶされそうに見えるほどの勢いがあった。しかし、平成に入る頃には、その領域に生息していたモグラやネズミが駆除され、土壌に肥料成分が蓄えられなくなり、また蓄積されていた肥料成分を大方使ってしまったこと、自らのアレロパシー効果により種子の発芽率が抑えられる等の理由により、派手な繁殖がめっきり減った。セイタカアワダチソウの勢いが衰えた土地にはススキなどの植物が再び勢力を取り戻しつつある。一方、北アメリカでは逆にススキが侵略的外来種として猛威を振るっていて、セイタカアワダチソウの生息地を脅かしている。

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