セイタカアワダチソウの花

 湾岸地域ではセイタカアワダチソウ(背高泡立草)がめっきり減ってきています。キク科アキノキリンソウ属のセイタカアワダチソウは私には秋の象徴のような花でしたから、寂しい気持ちが年々強くなっています。湾岸地域の開発が進み、空き地や野原が減ったことが大きな要因なのでしょう。

 セイタカアワダチソウは北アメリカ原産で、明治末期に切り花用の観賞植物として導入されました。第二次大戦後にその存在が目立つようになりましたが,ミツバチの資源作物として全国で組織的に植栽したようです。草丈は1~2.5mあり、濃黄色の小さな花を多数つけ、とてもよく目立ちます。種子と地下茎の双方で増え,さらにアレロパシー(他の植物の成長を抑える物質を放出)をもつことから他植物の生育を妨げます。でも、セイタカアワダチソウだけの群落になると、アレロパシーは自身にも影響し、生長が抑制されます。正に因果応報です。

*同属の仲間にオオアワダチソウ(大泡立草)がある。やはり、北アメリカ原産の帰化植物。元々あったアキノキリンソウ(アワダチソウ)よりも背が高いことからセイタカアワダチソウと呼ばれる。ところで、「アワダチソウ」という和名は「泡立草」で、その由来は背が高く、花が泡立っているように見えることからきているという説があるが、実になった時に綿毛がふわふわとした様子を泡に見立てたものという説もあり、私には後者の方が実感として成程と思われる。