ヒトツバタゴ(一つ葉タゴ、一つ葉田子)は日本では希少種の一つであり、絶滅危惧II類 (VU)に指定されている。天然での分布域も狭く、長野県、愛知県、岐阜県、長崎県に自生するだけで、それぞれの県のレッドデータブックに載っている。ヒトツバタゴはモクセイ科ヒトツバタゴ属の一種。同じモクセイ科のトネリコ(別名「タゴ」)に似ているが、トネリコが複葉であるのに対し、ヒトツバタゴは単葉であることから「一つ葉タゴ」の和名がある。日本ではあまり見ないため、珍しい、正体不明という意味で、「なんじゃもんじゃ」の別名がある。クスノキなどの大木に対して「なんじゃもんじゃ」の名前が使われる地域もあるが、柳田國男によれば、ヒトツバタゴのように名前が不明という理由でなく、その木が大切な存在なので、わざと特定の名前をつけないのだという。
画像の木は我が家の近くにあるのだが、ひょっとすると同じ仲間のアメリカヒトツバタゴの可能性もある。だが、木場5丁目の交差点には立派なヒトツバタゴがあり、その他東京には意外に多いことから、この画像の木もヒトツバタゴだと考えている。