2019-01-01から1年間の記事一覧
セイヨウヒイラギはモチノキ科モチノキ属の常緑高木。真冬に赤い実をつけることから、ヨーロッパではキリスト教が入る以前に聖木となっていた。キリスト教では、キリストの足元から初めて生えた植物とされ、尖った葉や赤い実はキリストの流した血と苦悩を表…
全国に四つある岡倉天心の顕彰会(それぞれ岡倉天心の両親の出身地である福井県福井市、天心生誕の地である神奈川県横浜市、天心が晩年の活動の拠点とした茨城県北茨城市、そして天心の終焉の地となった妙高市にある)が一堂に会す「第24回天心サミットin妙…
本州を原産とするバラ科の落葉高木。一般的にはヤエザクラとマメザクラが自然に交配してできたものとされ、別名はコバザクラ(小葉桜)。開花期は11月から12月と4月の年2回であるが、その間も細々と咲き続ける(画像は11月中旬のもの)。冬に咲く花芽は全体…
「第一義」で忘れてならないのが夏目漱石の『虞美人草』。そこでは「人生の第一義」は何かという問いのもとに物語が展開される。そして、「人生の第一義は道義である」というのが漱石の答。そして、この答えが「第一義」の近代的な意味である。「第一義」と…
シクラメン(ブタノマンジュウ、カガリビバナ)はサクラソウ科シクラメン属の多年草で、地中海地方が原産。明治末期に渡来。画像のガーデンシクラメンは比較的耐寒性が高く、戸外での栽培が可能なシクラメンの品種。ガーデンシクラメンが初めて世に出たのは1…
足元に咲く花に驚き、彼岸花の狂い咲きかと訝るが、よく見ると彼岸花より小ぶりである。調べてみると、その名は「ネリネ」。ヒガンバナ科ネリネ属(ヒメヒガンバナ属)で、彼岸花の仲間であると判明。 ネリネは南アフリカ原産で、大正時代に渡来。ヒメヒガン…
小学何年生の時か忘れたが、一度遠足で林泉寺を訪れたことがある。それは兎も角、「春日山(かすがさん)」、「林泉寺(りんせんじ)」とはどんな名前なのか。かつて寺は修行の場として山中を選んで建立された。「…山」は「山号」と呼ばれ、中国で寺の所在を…
謙信は熱心な仏教徒で、その彼が山門の扁額に掲げた「第一義」は釈迦が悟った万物の究極の真理を指示する名辞。戦国武将として謙信は禅に傾倒し、その教えを重視した。その禅思想の用語の一つが「第一義」で、達磨大師と梁の武帝の問答の中に出てくる。 5世…
アカシア、あるいはミモザの正式の学名はAcacia conferta、マメ科アカシア属の常緑低木。オーストラリア東部が原産で、葉は小さく、花は濃黄色で沢山咲かせる。既にその黄色の花を紹介したが、まだ見事に咲き誇っている。 センダンと聞くと、「栴檀は双葉よ…
「異端」となれば多くの人がガリレオの異端審問(1616、1633)を思い出すでしょう。当然、仏教にも異端があり、浄土真宗では異端を「異安心(いあんじん)」と呼んできました。その異安心の歴史を遡れば、浄土真宗の開祖である親鸞の教えに反する考えを嘆き…
少し前にカクレミノ(隠蓑)のまだ青い実(画像)について次のように書いた。「葉は濃緑で光沢がある卵形の単葉で、枝先に互生する。花は6月から8月に咲き、実は長さ1cmくらいで先端に花柱が残り、晩秋に黒紫色に熟す。実の中には8mmほどの種が入っている。…
新潟県上越市は上杉謙信の故郷である。そのため、謙信は上越市民にとって地元の断トツのヒーロー。その謙信が上越に残した唯一ともいえる遺品が林泉寺山門の扁額の文字で、それが「第一義」。これが「謙信の第一義」として市民に愛でられてきた。だが、その…
アオキ(青木)はアオキ属の常緑低木。和名の由来は、常緑で枝も青い(緑)ため。葉は大きいものでは20cm程度になる。形状は通常楕円形で、縁には小さな鋸歯がある。その実は卵形の液果で、種子を1個含み、秋から冬に赤く熟す((画像)。大きさは2cmほど。…
この学名の別名が「深山含笑(みやまがんしょう)」。ハクモクレンにしては緑の葉があり、しかも開花も早いと見直すと、それはモクレン科ミケリア属の学名ミケリア・マウディアエ(Michelia maudiae)だった。別名がどうして「シンザンガンショウ」ではない…
上杉謙信に関する記述に登場する「義」は、「儒教の「仁・義・礼・智・信」の「義」であり、それは「利」の対局にあるもの」とされている。義は、人間の正しい行動について言われ、義の人とは正義を守る人のこと。また、大名にとっての「義」とは、「攻める…
昨日の「上越妙高タウン情報」に「県立武道館に寄贈 第一義の額に入魂!」という記事(https://facebook.com/jcvfan.11ch)があります。それを読んだ上で次の文章を考えてみてください。 春日山の林泉寺は上杉謙信のゆかりの寺。その山門の正面の扁額には「…
昭和世代なら「シャクナゲ」と聞くと、シャクナゲ自体より「しゃくなげ色に たそがれる はるかな尾瀬 遠い空」という一節を思い出すのではないか。「夏の思い出」に登場するシャクナゲ(石楠花)は高山種の花木。だが、それが最近は公園でもよく見かけるよう…
なぜ私たちは故郷に執着し、特別の愛着をもつのだろうか。これは、老人なら必ず持つ、ごくありふれた問いである。私のように若い頃は閉鎖的で退屈な故郷が嫌いだった者でも、歳をとると懐かしくなってくるのが故郷。何とも人の気持ちはいい加減なものなのだ…
植え込みの木にドウダンツツジやアセビに似た小さな白い花が咲いていて、ヤマモモの実に似た黄色の実が葉の間に見え隠れしている。幾つかの実を見比べると、黄色から赤色に変わっていくようである。そこで、調べてみるとヒメイチゴノキ(姫苺の木)とわかる…
小乗と大乗の違い、自力と他力の違い、信仰をもつきっかけの違い、これらはこれまで混同されてきたケースが多いように思われます。親鸞とパウロの回心の類似性はこれまで比較宗教学的な見地から多くの意見が出され、様々に議論されてきました。 模索中の親鸞…
ヤマモモに似ているが、古い葉が落ちる前に紅葉し、それが実に鮮やか。紅葉は常に見られる。気になって調べてみると「ホルトノキ」で、ホルトノキ科の常緑高木。別名はモガシ。「ホルト」はポルトガルのことで、平賀源内が命名したとされるが、定かではない…
街中のサザンカが赤い花をつけ始めた。たき火など見ることができなくなった昨今だが、サザンカはあちこちで花をつけている。ツバキの花はまだでも、カンツバキ(寒椿、ツバキとサザンカの交雑種)は花をつけ出している。和名がタイワンツバキのゴードニア・…
休日に最愛のペットの傍で考えるのに適した疑問となれば、「自分のペットの今の気持ちは何か」ではないでしょうか。それと同じように、ネーゲルは「コウモリであるとはどのようなことか(What is it like to be a bat?)」と問い、コウモリがどのような主観…
ハクサンボク(白山木)はレンプクソウ科ガマズミ属の常緑小高木。やや大きめの光沢のある葉が冬には紅葉し、春の白い小花がたくさん集まった花穂や、秋に鮮赤色に熟す実などが楽しめる。枝の先に集散花序の白い花をつける。画像の赤い実は食べることができ…
それは「「考える」=「計算する」」ということ。その際、大切なのは自然言語(natural language)と人工言語(artificial language)に関する次のような事柄で、それらがわかれば、考えることがなぜ計算することなのかがわかります。 1言語と思考、知識、文…
二つはよく似ていて、以前私もワルナスビをイヌホオズキ(犬酸漿)と間違えてしまった。特に、花だけ見ていたのでは区別しにくい。むろん、二つを直接に見比べるなら、容易にわかるのだが…兎に角、どちらもナス科ナス属で、イヌホオズキの別名はバカナス。 …
(これまで連載したものを加筆修正し、まとめたもの) 神様がたくさんいると、喧嘩したり、騙し合ったりと、神様同士の諍いや争いが生まれ、人間関係に似た神様関係ができていきます。複数の神様がいれば、当然神様社会ができ、その仕組みや構造はごく自然に…
トベラ(扉)はトベラ科トベラ属の常緑低木。光沢のある濃い緑色の葉をもつことから、公園や街路によく使われている。東北南部以南に自生し、低木といっても、樹高は2~3mになることもある。「扉」と書いて、「とべら」と読む。2月の節分に、この木の枝を扉…
サンゴジュ(珊瑚樹)は、レンプクソウ科ガマスミ属の常緑高木。その実は長さ7~9㎜の卵形で、8~10月に赤くなり、完全に熟すと黒くなる(画像は赤い実)。関東地方以西の沿岸地域に自生する。天然のものを見る機会は少ないが、都市部の公園などに広く植樹さ…
杓子定規に定義すれば、白色は全ての色の可視光線が乱反射されたときに、その物体の表面を見た人間が知覚する色です。また、無彩色の白色は、人の網膜の3種類の錐体のすべてが「対等的、均質的」に強く刺激された場合に感じる色です。それゆえ、すべての波長…