センリョウの実

 センリョウ(千両)の開花は初夏で、枝先に緑色の花を咲かせる。子房のみの花で、つい見落としてしまう。花のあとには緑色の実がつくが、今年もその実でセンリョウの存在を確認できた。この実は11月過ぎから3月にかけて赤や黄色に熟す。私たちのセンリョウへの関心は「花より実」である。

 センリョウの葉は先端が尖り、縁には鋭いギザギザがあり、細い卵形で、枝から対になって生じる。葉は薄い皮質で無毛。表面には光沢があるが環境によって変わりやすく、日差しの強い場所では色褪せる。

 センリョウは江戸時代までは、「仙寥花(センリョウカ)」と呼ばれていたが、見た目の似ている万両(マンリョウ)よりも実のつき方がまばらなため、千両になったと言われている。実が黄色いセンリョウは「キミノセンリョウ」。一方、マンリョウはカラタチバナヤブコウジと同じ仲間で、サクラソウ科。センリョウの実は葉の上に、マンリョウの実は葉の下にできる(最後の画像がマンリョウ)。

*三枚目の画像にはキミノセンリョウが写っている。