マツバウンランの花たち

 湾岸地域の雑草としてどこにもありながら、目立たず、矩を踰えないのがマツバウンラン(松葉海蘭)。その葉の形が松葉、花がウンランに似ていることからこの名がついた越年草で、北アメリカ原産の帰化植物である。日本での登場は意外に新しく、1941年に京都市で初めて採集された。現在では北関東、北陸地方以西に普通に見られる。何とも弱々しい茎だが、ウンランに似た花は薄紫色で美しい。日当たりの良いところを好み、花は高さが20~40㎝の長く伸びた茎の先に穂状につく。