最近ヒメキンギョソウ(姫金魚草)の園芸種はリナリア(Linaria)と呼ばれることが多くなったが、最初の画像は主に流通しているリナリア・マロッカナ(Linaria maroccana)で、日本へは明治時代末期に渡来し、近年一部の地域で野生化している。
キンギョソウはゴマノハグサ科キンギョソウ属、ヒメキンギョソウはゴマノハグサ科リナリア属。リナリアの花によく似ている野の花の一つがマツバウンラン(松葉海蘭、最後の画像)。二つとも花は唇形花。マツバウンランはゴマノハグサ科の一年草または二年草。よく見ると、園芸種のリナリアと野生種のマツバウンランはそれぞれ「園芸」と「野生」の特徴を示しながら、二つの種の間の結びつきを見事に示している。
「げに懐かしきは名前なり」という訳なのだが、ウンラン(海蘭)の仲間を探すと、まずはマツバウンラン(松葉海蘭)で、その名の由来はウンランの仲間で松葉のように葉や全体が細いことから。湾岸地域では公園などで野の草としてよく見かける。このマツバウンランとよく似た園芸種がムラサキウンランで、要するに、ムラサキウンラン(紫海蘭)=リナリア=ヒメキンギョソウ(姫金魚草))。
*公園の芝地がよく刈り込まれたためか、いつもならもう見ることができるマツバウンランもカラスノエンドウもまだその花を見ることができない。