サルココッカの花の香りを愛でる

 既にサルココッカについて記したのだが、香りが強く、花より先に香りに気づくのがサルココッカ。歩いていると香りに気づき、それを味わい、次に見える花は小さく白く、常緑の緑濃い葉が光っている。そんな花と葉を持つサルココッカの香りは私を暫し立ち止らせるのです。

 花は新しい枝の先端や葉の付け根に、垂れ下がるように咲きます。花弁はなく、蕚片とおしべだけ。雌雄同株ですが、花には雌雄があり、白いシベが目立つのが雄花。緑色の雌花はその付け根に咲き、黄色い柱頭が2~3本見られます。

 サルココッカは花が終わると、小さな実をつけます。艶のある丸い実は熟すと赤くなります。常緑の葉は光沢のある深緑色で、香り、実、葉のどれも楽しめます。雌花の後には緑色の果実ができ、翌年の10月過ぎには赤から黒紫色に熟します。果実にも甘い香りがあります。実が熟すのに時間がかかるため、花と果実を同時に見ることができます。