キョウチクトウの白い花

 今年もまたキョウチクトウの花が咲き出し、暑い夏が近づいていることを予告しているようである。それにしても、「夾竹桃(きょうちくとう)」とは奇怪な字面である。この中国名は葉の形が竹に似ていて、花が桃の花に似ていることに由来する。在来種はインド原産で、中国経由で江戸時代に日本に入ったらしい。別種にヨーロッパ原産のセイヨウキョウチクトウがある。

 花は枝の先端に群がってつき、初夏から秋にかけて開花する。キョウチクトウには多数の園芸品種がある。その花色は、白、ピンク、黄色など様々で、八重咲きもある。庭木としてはもちろん、大気汚染にも強いことから道路の植栽などにも用いられている。湾岸地域でもあちこちに植えられている。キョウチクトウは優れた園芸植物だが、個体全体が猛毒で、その毒性はオレアンドリンという強心配糖体にある。