ミヤマヨメナ(深山嫁菜)はキク科シオン属の植物で、花が春に開花する数少ない野菊の一つである。その園芸品種がミヤコワスレである。つまり、ミヤコワスレは本州、四国、九州の山地に自生するミヤマヨメナの園芸品種につけられた和名。ミヤマヨメナは淡青色だが、色の濃いものを選抜して育種改良したものが「ミヤコワスレ」。さらに、江戸時代から改良されてきたミヤコワスレには淡青色だけでなく、青やピンク、白がある。
*今の「春菊」のように春の若菜を食べる習慣が古くからあり、「最も美味で、やさしく美しいから」というから「嫁菜」、「山の深い所で咲く嫁菜」が「深山嫁菜」の由来と言われている。そのミヤマヨメナの改良が江戸時代から始まり、ミヤコワスレが生まれた。「ミヤコワスレ」は承久の乱に敗れ、佐渡に流された順徳上皇が庭に咲いた可憐な花に目を留め「恋しい都も忘れられる花」と表現したことからつけられた名前と言われてもいるが、その頃に既にあったのかという疑問が出てくる。