ポンカンの実

 夏ミカンの実について記すと、ポンカン(椪柑、凸柑)の実にも触れたくなる。ポンカンはインド北部が原産地で、日本には1896(明治29)年に台湾総督が苗木を鹿児島に送って移植したのが最初。甘みが強く、酸味は控えめ、果汁も多く、香りもよい。

 夏ミカンの場合に表面上は似て、ポンカンも完熟していない実で収穫し、その後、収穫した実を涼しい場所で1か月~2か月保存し、追熟させる(この作業が予措(よそう))。これによって、ポンカンは甘みを増し、赤色の完熟に変わる(*)。ポンカンの収穫時期は11月~1月だが、食べ頃は1月~2月ということになる。

 画像はまだ青い実と、今樹上で色づいている実(12月)である。この実を採り、暫く待てば、食べ頃になる筈である。

*気になる方は「冬の夏ミカン」の「減酸により酸度が低下」する仕組みを再読してほしい。