イヌマキはマキ科マキ属の常緑高木で、中国名は罗汉松(羅漢松 ラカンマツ)。上品なコウヤマキをホンマキと呼ぶのに対して、葉や姿形が劣るためにイヌマキと呼ぶようになったというのが一般的な説(同じような名前としてイヌワシ)。コウヤマキより成長が早くて安価なため、湾岸地域でもあちこちに植えられている。手をかければ、好きな形に仕立てることができるため、古くから垣根や玉散らしとして利用されてきた。
イヌマキは雌雄異株で、5~6月ごろに雌雄それぞれの花が葉の脇に咲く(画像は雄木)。雄花は多数の雄しべが集合した長さ3センチほどの穂の形をしていて、数個が集まって咲く(雌花は小さな突起状で単独で咲き、目立たない)。画像の雄花は花粉を放出する前のものである。また、画像は新芽が赤いイヌマキで、赤芽イヌマキ(匝瑳、そうさ)と呼ばれるものである。