「野バラ」と言えば、シューベルトの歌曲となるのだが、野生のバラは「ノイバラ」。純白の5枚の花弁と黄色のシベ、椿のような照り葉、淡い芳香、たくさんの棘などが特徴の原種バラがノイバラである。有棘の低木類のバラを茨(いばら)と呼んでいて、野生であることから「野」がついて「ノイバラ」となった。別名がノバラ(野薔薇)で、日本のバラの代表的な原種である。
さて、画像は中国原産のナニワイバラで、日本には宝永年間に渡来し、大阪の商人がこのノイバラを売り歩いていたことから、難波のバラという意味で「ナニワイバラ」と呼ぶようになった。ナニワイバラは中国の中南部に分布し、野性味があり、非常に丈夫で美しい花が咲く、原種のバラ。
さて、ナニワイバラとハマナスの画像を見れば、それぞれの花はよく似ていて、花だけ見たのでは区別できそうもなく、二つがバラの仲間であることが納得できる。日本ではバラの野生種が人類よりも早くから自生していて、14種ものバラの野生種がある。