身近の紅葉狩

 信濃の戸隠に侍女(ツレ)を連れた美女(前シテ)が紅葉狩に出かけ、紅葉の木陰で休んでいると、平維茂(これもち)(ワキ)が従者(ワキツレ)と勢子(ワキツレ)を率いて通りかかる。維茂は美女の酒宴に加わり、優美な舞に見とれ、眠って夢をみる。維茂の夢に八幡神に仕える武内の神(アイ)が現われ、女たちが戸隠山の鬼だと告げる。維茂が起きると、稲妻が走り雷鳴も轟く中、風が吹き荒れ、恐ろしい鬼(後シテ)が出現。維茂は八幡神に祈り、鬼を退治。戸隠山の鬼退治は観世小次郎信光の作品。

 コロナ禍の紅葉狩となれば、身近で楽しむしかない。鬼の伝説などない湾岸地域でも樹々は紅葉し、美しい。イチョウの黄葉(画像は富岡八幡宮イチョウ)から始まり、近くのモミジ、サクラの紅葉は今が見頃で、東京の紅葉、黄葉は既に雪が降った妙高に比べれば、何とも遅い。「桜紅葉」は秋の季語で、サクラは赤一色ではなく、葉一枚毎に色が異なるだけでなく、一枚の葉の部分毎にも色が変わる。

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