近くの公園には珍しくトチノキが多い。さすがに立派で、落葉広葉樹の代表格の木である。水気を好み、湿気のある日本の気候に合っている。大木になり、樹高25m、直径1mを超えるものも少なくない。葉が大きく、長さ50cmにもなる。5月から6月に、葉の間から穂状の花が現れる。今年は既に花盛りである。
初秋に至り、実がみのる。ツバキの実に似た果実は、熟すにつれて厚い果皮が割れ、少数の種子を落とす。食用の「栃の実」はこの種子である。
俳句では「橡(トチ)の花」が夏の季語、「橡の実」が秋の季語。セイヨウトチノキの別名はマロニエで、パリの並木が有名である。