カリガネソウ(雁草、雁金草)は、シソ科の多年草。別名はホカケソウ(帆掛草)。和名は花の形状が雁に似ていること、帆をかけた姿に似ていることに由来します。青紫色の花弁は5枚。2枚は上側、2枚は左右、残りの1枚は下側に配置されていますが、花を上から覆うように雌しべと雄しべが長く伸びています(画像)。カリガネソウの花のユニークな形は、花粉を運ぶ虫たちのために進化した結果と思われます。これは既述のクサギの花についても同じです。カリガネソウは、秋の終わりになると萼の中に小さな実ができますが、クサギの実のように青色には色づきません。
同じシソ科のベンケイクサギ(弁慶臭木)の別名はブルーウイング、ブルーエルフィン。その別名から花色が青であることがわかります。ベンケイクサギはアフリカのウガンダに自生する熱帯性のクサギの仲間。5月~9月頃に青い蝶が羽を広げているような小さな花を咲かせます。その花姿はカリガネソウの花によく似ていて、「青い妖精」などとも呼ばれています。
ベンケイクサギによく似た、紛らわしい名前のゲンペイクサギは蔓性常緑低木で、別名はゲンペイカズラ(源平葛)やゲンペイボク(源平木)。蔓の長さは100~700cm。私自身はまだゲンペイクサギを実際に見たことがありません。
*「弁慶」と「源平」の漢字ははっきり違うと実感できるのですが、「ベンケイ」と「ゲンペイ」の音だけでの識別は厄介です。
**クサギ、ベンケイクサギ、ゲンペイクサギ、そしてカリガネソウはいずれもシソ科。ベンケイクサギとゲンペイクサギはよく混同されています。
***画像はカリガネソウの花(二葉)、そして、クサギとベンケイクサギの花。
(カリガネソウ)
(カリガネソウ)
(クサギ)
(ベンケイクサギ)