空蝉三体

 「空蝉」とは蝉の抜け殻のこと。空蝉となれば、『源氏物語』を思い出す人が多いだろうが、今蝉の「空蝉」があちこちで目立つ。蝉は夏の象徴そのものだが、空蝉は人生の象徴にもなってきた。夏を表す空蝉を句にしてみよう。

 

空蝉の 三つもあれば あわれなし

賑やかに 空蝉三つ 並びけり

蝉の殻 三つ並んで 夏盛り

 

空蝉の姿から蝉の種類がわかるが、画像の三つの抜け殻はクマゼミのものと思われる。

*画像は幹の「布巻き」に残った空蝉