4日前に「カワズザクラの開花間近」と記したが、昨日開花した。何だか急に眼の前が春になった気分である。カワズザクラはオオシマザクラとカンヒザクラの交雑種だが、シュゼンジカンザクラ(修善寺寒桜)もオオシマザクラとカンヒザクラの交雑種とのこと。また、カンザクラ(寒桜)はカンヒザクラとヤマザクラの交雑種。
日本の野生種の桜はいずれも春咲き。秋咲きだったサクラが日本列島の気候に適応するために春咲きになった理由は気候の違いにある。秋咲きサクラの野生種があるネパールの緯度は亜熱帯で、年間を通じて気温差が少なく、穏やかな気候なのに対して、日本には四季があり、年間の気温差が大きい。ネパールの秋咲きサクラは中国、日本へと北上する過程で、厳しい気象条件を克服するため、冬場に落葉して活動を休止する「休眠」手段を獲得し、暖かい春に花を咲かせるようになった。つまり、遥か昔の秋咲きのサクラは厳しい環境へ移動していく中で、適応して春咲きになったのだ。