師走の天と地

 空にはまだ残っているヒメリンゴの実、地にはノースポールの花が見え、世はすべてこともなし、と言いたくなるのだが、実際はそれとは真逆で、世はどこでもことだらけで、騒がしだけでなく、悲惨極まりなく、人命が奪われ続けている。

 天と地がまるで違うような昨今、宗教は何と無力かと嘆きたくもなるのだが、その宗教自身の対立が騒がしさの原因になっているのだから、我らが地は何とも御しがたい人の欲に支配され続けている。戦争が好きな宗教、闘う宗教などない筈なのだが、宗教はやはり人の宗教であり、人の本性をもつ宗教でしかない…