10月に入り、今年もモッコクの実が赤みを帯びて、輝いている。艶のある葉と赤い実が秀逸のモッコク(木斛)はモッコク科の常緑高木。江戸五木の一つで、モチノキやマツと並び「庭木の王」と称されてきました。そのため、庭や公園によく植えられていて、湾岸地域でも見ることができます。
その丸い実は秋に赤くなりますが、ちょうど今が見頃です(画像)。モッコクは7月頃に直径2cmほどの黄白色の花をつけ、芳香を放ちます。1cmほどの大きさの卵形の果実が実り、それが秋になると熟します。種子は樹上で赤く目立つため、アカミノキが別名です。
モッコクの魅力の一つはツヤツヤした葉で、春の刈り込み後の新芽は葉全体が赤くなります。花の時期には周囲に香りが漂い、蜂などの昆虫がよく集まります。秋に熟する実はメジロ、キビタキ、オオルリなどの野鳥が食べます。
日本風の庭園が少なくなり、今の公園では主役ではなく脇役ですが、じっくり樹全体を見れば、何とも滋味深く、深山幽谷の風情をたっぷり持ち、私のような老人には見飽きないのがモッコクです。