冬枯れの風景の中でも、蔓のように枝を垂れ、緑色の葉をつけたままなのがオウバイモドキです。オウバイモドキはオウバイの近縁種で、別名はウンナンオウバイ(雲南黄梅)。名前に「梅」とついていても、梅の仲間ではなく、ジャスミンの近縁種です。そのオウバイモドキの花が春を待ちきれず、既に咲き出しています。
オウバイモドキとなれば、オウバイ(黄梅)がある筈だと誰もが考えます。オウバイも早春の花の代表の一つで、その中国語名は「迎春花」、英名は「ウィンター・ジャスミン」です。オウバイはモクセイ科の半蔓性の落葉低木で、原産地は中国。早春に梅に似た形の黄色い花を葉が出る前に咲かせます(画像)。花の大きさは直径2センチ程度。日本への渡来は元禄時代。
オウバイモドキが日本に入ってきたのは明治初期で、17世紀頃に先に伝来したオウバイに似ていることから、モドキ(擬き)という有り難くない表現が使われたようです。オウバイモドキの花期は3月からで、オウバイより少し遅く、よく似た花の大きさはオウバイより大きめです。また、一重の花のオウバイとは違って、花びらは重なったようにつくので、八重のように見えます。
*最後の画像がオウバイ