ウメは寒い早春から春にかけて香りのよい花を咲かせます。子供の頃の私にとってウメは梅干しの実がなる木であり、どの家のウメの木も実を収穫するための実用的な木でした。梅の花を観賞するための木であることを知ったのは私が中学生になってからで、私の梅観はすっかり変わりました。ウメが文学の主要な対象の一つでもあることを知った時の不思議な驚きを今でも憶えています。
梅の木を 俳句で愛でる 新世界
湾岸地域のウメのほぼすべては花を楽しむための園芸種です。ウメの花は整った５弁の花びらの一重咲きで、八重咲き種もあります。花色は赤からピンク、白色。中国西部を原産とする落葉樹で、日本には西暦700年前後に渡来したと言われています。最初に入ってきたのは白梅で、西暦800年以降に紅梅が渡来したと考えられています。
私の経験からもわかるように、ウメは花を観賞する「花梅」と実を収穫する「実梅」に大別されます。実梅の花の開花の方が遅く、今はまだ周りは花梅ばかりです。
