古くから人との関わりが深く、神話や伝説にも多く登場してきたのがアネモネです。ヨーロッパ南部から地中海東部沿岸地域の原生地では、比較的雨の多い冬に生育し、初夏に地上部が枯れると球根(塊根)になって、暑く乾燥する夏を越します。日本でも、涼しくなる秋に芽を出し、春に咲いて夏前に地上部を枯らし、塊根をつくって休眠します。
美の女神アフロディーテはキューピッドの射た愛の矢に誤って傷つき、アドニスと恋に落ちます。ところが、そのアドニスは猟に出た日にイノシシの角に突かれて死んでしまい、アフロディーテが流した涙がアネモネになった、と言われています。
アネモネの日本名は「牡丹一花(ぼたんいちげ)」、「紅花翁草(べにばなおきなぐさ)」です。