キランソウとアジュガの花

 金瘡小草(きらんそう)、金襴草(きらんそう)、いずれもフリガナがないと読めない。別名が地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)、弘法草(こうぼうそう)で、どれもこれも一筋縄ではいかない厄介な名前である。「金襴草」の名の由来は、草むらに咲き広がる様子が、「金襴(きらん)」の織物の切れはしのように見えるところから。濃い紫色や青色の唇形の花が今頃咲く。別名の「地獄の釜の蓋」は、墓地などにもよく生えていて、彼岸のころにこの茎や葉がべったりと地を覆う様子を誇張して名づけたとのこと。また、薬効があり、地獄の釜に蓋をする(地獄に行かなくてよい)ほどの効き目があることから名づけられたとも。また、「弘法草」は、弘法大師がこの草が薬になることを教えたことから。さらに、医者が必要ないというところから、イシャゴロシ(医者殺し)、イシャイラズ(医者いらず)、イシャナカシ(医者泣かし)などとも呼ばれている。

 シソ科のキランソウ属は園芸では学名のアジュガで呼ばれる。アジュガはセイヨウキランソウから作出された園芸品種が多く、日本に自生するジュウニヒトエキランソウアジュガの仲間。アジュガの原産地はヨーロッパで、今花が咲き誇っている。普通に出回っているのはレプタンスの品種群。アジュガキランソウは花がそっくりだが、アジュガは上に伸び、キランソウは横に広がる。 

 野生の植物、あるいは自然に進化してきた植物と人工的な植物、あるいは人が変えた植物との対比となれば、natural kindとartifactとなるのだろうが、自然の技と人の技の違いがどこにあるのか誰もが探り出したくなる。キランソウとアシュガを見比べながら、人の技の特徴を見出そうとするのは私だけではない筈である。最近の私のFacebookの類似の例だと、キュウリグサワスレナグサ。植物の園芸種の場合、自然と人の好みの違いのようなものを見出そうとすれば、博物学の見直しということになるのだろう。

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キランソウ

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キランソウ

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キランソウ

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アジュガ

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アジュガ

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アジュガ