新型コロナウイルスで騒然となっている世界でも、サクラが淡々と開花し、コブシが満開となっている。ウイルスの危険の横で、コブシの満開は地球温暖化を知らせるサインかも知れないと思うと、花見などと浮かれている場合ではない気になる。とはいえ、真っ白の花を見るのは素直にいいものだ。
コブシは日本中の山林や日の当たる原野に自生するモクレン科の落葉広葉樹。早春に香りのある白い花を咲かせ、春の訪れを告げる代表的な里山の花木だが、葉が大きくて木陰を作りやすいため、街路樹や公園樹としてよく使われる。開花は3月下旬~4月上旬でソメイヨシノより早い。花弁は6枚で、レモンのような香りがある。
コブシには「田打ち桜」、「種まき桜」、「芋植え花」などの別名がある。これらはコブシの開花を農作業準備の目安に使ったことに由来し、各地にはこれに類する様々な名前が残っている。