子供の頃の記憶に裏庭のグミが登場するのだが、それがナツグミ、アキグミ、ナワシログミのいずれだったのか、残念なことに今ではその木がなくなり、わかる術もない。私の記憶の欠如を埋め合わせるかのように、湾岸地域にはアキグミがたくさん植えられている。葉の裏側の銀白色が緑の葉の中で目立ち、初秋にはこっそり小さな実をつける。
アキグミ(秋茱萸)はグミ科グミ属の落葉低木。果実は食用となるが、タンニンを含み渋みがある。果実酒によく利用される。和名「アキグミ」は秋に果実が熟すことからつけられた。4~6月に花をつけ、この花の色は白から薄黄へ移り変わっていく。秋に朱から赤色の直径8mmほどの実をつける(画像)。ほかのグミ類の果実が楕円形なのに対し、アキグミは球形に近い。
幹が立ち上がり、樹高3m ほどに達する。グミ類に共通するが、銀白色で長楕円形の葉が特徴的で、全体的にも銀色がかって見える。木場公園にある大きなアキグミの木はそれを見事に示して、異彩を放っている。