2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「山椒大夫」を掘り起こす(2)

「山椒大夫」は絵本や教科書で誰もが知っています。森鷗外の歴史小説だと知らない子供でもその物語を知っています。一方、説経の方は古典芸能として細々と残るだけで、ほとんどの日本人は「説経」という名称さえ知らず、「瞽女唄(ごぜうた)」などほぼ死語…

シモツケの花

湾岸地域の公園や庭に目立つのがシモツケ。シモツケは日本、中国、朝鮮半島に分布するバラ科シモツケ属の落葉性低木です。日本では、北海道から九州にかけての山野に分布し、日当たりの良い場所に自生します。「シモツケ」の名前は、下野国(栃木県)で最初…

アマリリス(とユリ)の花

アマリリスはヒガンバナ科の多年草、ユリはユリ科の多年草です。アマリリスの原種は中南米・西インド諸島に約90種があり、数百種類の園芸品種があります。アマリリスは地中に鱗茎を形成する多年草で、初夏にユリに似た基本的に六弁の大きい花を2 - 4個つけま…

「山椒大夫」を掘り起こす(1)

「山椒大夫」を議論するには森鷗外の作品が不可欠です。小説は説話「さんせう太夫」を下敷きにしていて、今では安寿と厨子王といえば、ほぼ誰もが鴎外の作品を思い浮かべます。そこで鴎外の『山椒大夫』のあらすじを述べてみましょう。 平安時代末期、母、安…

ナツグミの実

ナツグミの別名は「ホソバナツグミ」、「チェリー・シルバーベリー(cherry silverberry)」で、日本原産の落葉小高木もしくは半常緑小高木です。ナツグミの由来は夏に実が熟す所からきていますから、実が熟した今は既に夏ということです。果実は甘みとタンニ…

コムラサキの花

コムラサキはシソ科ムラサキシキブ属の落葉低木で、北海道及び青森を除く日本各地の山野だけでなく、中国や朝鮮半島にも分布する。同属のムラサキシキブとともに紫式部にちなんで名付けられた。ムラサキシキブは樹高が3mにもなり、いかにも木という感じだが…

立葵、鶏冠、そして鶏

立葵の花について記しましたが、その花弁の付け根の部分をシールのようにはがすと、そこは粘着性があり、肌に張り付きます。それが赤い立葵なら、張り付いた花弁は鶏の鶏冠(トサカ)のように見えます。そのため、立葵はコケコッコ花とも呼ばれてきました。 …

タチアオイの花

タチアオイ(立葵、ホリホック)は、まっすぐに伸びる姿から命名された。2mほどに伸びる長い茎に、花を穂状につける。梅雨入りごろ、花穂の下から咲き始めて順々に咲き上がり、花が終わる頃に梅雨が明けるというのがこれまでの常識。今年は既にタチアオイの…