2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

上杉謙信の義の心

親鸞と謙信のいずれを「ふるさとの偉人」とするかと問われれば、上越市や妙高市では越後で生まれた英雄に一票を投じる人が圧倒的に多い筈です。 そのふるさとの英雄について、上越市のホームページの説明を引用すると、「義は、人間の行動・思想・道徳で「よ…

クチナシの白い花

梅雨に入り、クチナシの花が咲き出した。クチナシはアカネ科クチナシ属の常緑低木。森の低木として自生し、園芸用としてだけでなく、私のような老人には「くちなしの花」という歌謡曲でも知られている。乾燥果実は、生薬、漢方薬の原料となる。実が熟しても…

雌雄異株のアカメガシワの雄花と雌花

雌雄同株の雄花と雌花に比べて、異株の雄花と雌花は大抵大きく違っている。同じ先駆種のクサギやナンキンハゼは雌雄同株だが、アカメガシワは雌雄異株である。雄と雌が分かれているのが異株、雄と雌が同体なのが同株。 アカメガシワの雄花と雌花の画像を見比…

コエビソウの花

コエビソウ(ベロペロネ)は熱帯アメリカや西インド諸島に分布するキツネノマゴ科ジャスティシア属の常緑低木です。以前は同じ科のベロペロネ属に分類されていたので、園芸ではこの旧属名で呼ばれることがあります。 「苞(ほう)」と呼ばれる赤褐色の葉が鱗状…

アフリカハマユウの花

ヒガンバナ科のアフリカハマユウ(阿弗利加浜木綿)は南アフリカ原産。花茎を伸ばし、先端に散形花序を出し、白いユリのような漏斗状の花を多数咲かせます。花は夜中に満開になります。暖地を好み、海岸の砂地や花壇で見られます。芳香のある虫媒花で、球形…

ワルナスビ(悪茄子)の花と棘

ママコノシリヌグイと同じように棘をもつ植物の一つがワルナスビで、こちらの棘も痛そうで、敬遠したくなる。平地の道端や空き地に生える北米原産、ナス科の帰化植物で白色か淡紫色の花弁に黄色い雄蕊がアクセントになった花をつける。しかし、「ワルナスビ…

継子の尻拭の花

久し振りに雑草の生い茂る中に踏み入り、茎に触ると、棘に刺され、それが結構痛い。タデ(蓼、たで)科のママコノシリヌグイの棘だとわかる。見渡せば、藪の中一面がママコノシリヌグイに占領されている。 その奇妙な名前のママコノシリヌグイが花をつけてい…

クロコスミアの花

クロコスミアの花言葉は「楽しい思い出」。そのせいではないが、クロコスミアは子供の頃の思い出の花の一つ。畑の端で栽培されていた花がいつの間にか半ば野生化した記憶が残っている。クロコスミアは夏の暑い日も大雨の日もいつも平気で咲いていた。田圃の…

アジサイの花(2)

花弁 (花びら)の外側の部分が萼(がく)、その一枚が萼片。花弁が退化し、萼弁が花弁の役割を果たしているのがキンポウゲ科の植物たち。アネモネ、クレマチス、キンポウゲ、シラネアオイ等々、そして、アジサイ。この植物たちの花弁に見えるものは萼弁。アジ…

アジサイの花(1)

狭義のアジサイ(ホンアジサイ)は、日本でガクアジサイから改良された園芸品種。6月から7月にかけて開花し、白、青、紫または赤色の萼(がく)からなる装飾花をもつ。ガクアジサイではこれが花序の周辺部を縁取るように並ぶ。花序が球形ですべて装飾花とな…

ナツツバキの花

ナツツバキ(夏椿、沙羅)はツバキ科の落葉高木、別名はシャラノキ。名前の通り、6月~7月にツバキに似た白い花を咲かせる。新緑、紅葉、幹の様子が美しく、湾岸地域でも見ることができる。葉は長さ10センチほどで、表面の葉脈は凹み、裏面には長い絹毛が…

環境保全と環境保存(保護):いもり池のスイレン駆除

保全は英語でconservation、その意味は「人間に被害が及ばないように自然環境を保護する」ことであるのに対し、保存はpreservation、「自然環境はそれ自体価値をもつので、それを保護する」ことです。つまり、「人間のために自然を守るのが保全」、「自然の…

常緑(トキワ)ヤマボウシの花

普通のヤマボウシは落葉樹だが、常緑(トキワ)ヤマボウシは常緑樹。また、常緑ヤマボウシは中国原産、ヤマボウシは日本原産。常緑のヤマボウシもヤマボウシと同じように庭のシンボルツリーとしてよく使われ、果実も食べることができる。花の色は白とクリー…

ナンテンの花

ナンテンは茨城県以西の本州、四国及び九州に分布するメギ科ナンテン属の常緑低木。和風庭園の定番で、赤い果実や紅葉を観賞するため、庭木、盆栽、正月の床飾りなどに多用される。だが、その花は目立たない。ナンテンなら赤い実ということになっていて、誰…

反実在論的な量子力学の世界像(改訂版)

(1)相対性理論と量子力学の基本的な違い 20世紀に入るやアインシュタインが相対性理論を発表し、その直後に量子力学が登場し、物理学は大きく変貌しました。量子力学は、自然界のエネルギー、例えば原子のエネルギーが連続ではなく、不連続のとびとびの値…

アワフキムシの泡

茎に白い泡がついている。泡の中を見たい衝動に駆られながら、何とかそれを押さえ、観察だけで我慢する。調べてみると、セミの仲間のアワフキムシの幼虫の巣(画像)。アワフキムシは植物にとっては致死的な植物病原性細菌、つまりピアス病菌を媒介する害虫。…

メラレウカの花

メラレウカについては既に2月に紹介した。フトモモ科の常緑高木で、別名がティーツリー。原産地はオーストラリアで、風にたなびく繊細な葉、ワイルドな枝ぶり、波打つような幹肌をもち、シンボルツリーとして植えられる場合が多い。初めて見たときはコウヤマ…

マンテマの花

マンテマはナデシコ科マンテマ属の植物。ヨーロッパ原産の植物で、江戸時代に日本に入ってきました。日本へは鑑賞用として持ち込まれ、その後野生化しました。 現在マンテマは色んな場所で見ることができ、日本では本州から九州に自生します。マンテマの最大…

山椒大夫を掘り起こす(3)

「人買いによって引き離された母と姉弟の受難を通して犠牲の意味を問う山椒大夫」といった説明文がつき、読後の感想文がそれに基づいて書かれるのは、私が中学生の頃からほとんど変わっていない。文学作品には作者の動機、状況などがあり、それが読者の文脈…

ヒメジョオン(とハルジオン)の花

ヒメジョオン(姫女苑)の花が道端や空き地にうるさい程に咲き出している。一方、少し前まであちこちに咲いていたハルジオン(春紫苑)は大正時代に渡来し、高さが30~100cmになる一年草または越年草で、茎は直立し、中空で、やわらかい毛が密にはえている。…

モナルダの花

モナルダ、あるいはタイマツバナはシソ科の多年草本。原産地は北アメリカ。モナルダは夏の花壇を彩る花として親しまれ、暑さに負けず、力強く咲く。タイマツバナとも呼ばれるように、鮮明な赤い花が盛り上がるように咲き、苞も赤く色づく。品種が多く、花は…

ザクロの花

6月に入り、今年もザクロ(石榴)の花が咲いた。子供の頃、近所にザクロの木があって、その実の酸っぱく、プチプチとした食感が強く記憶に残り、カキやリンゴとは違い、異国のものと直感した記憶が残っている。確かにザクロは西南アジア原産で、日本へは10~…

ガクアジサイの花

ウクライナの平地にはヒマワリが似合うが、アジサイは鎌倉の起伏のある土地に似合う。その鎌倉に住んだ鏑木清方は随筆家としても有名で、紫陽花を愛した様子が『紫陽花舎随筆』に描かれている。彼は若い頃から文藝に親しみ、泉鏡花とも親交があった。泉鏡花…

トキワツユクサと仲間の花たち

今日関東甲信越地方が梅雨入りした。梅雨と露は深く関連しているが、季節に合ったトキワツユクサ(常磐露草)はツユクサ科ムラサキツユクサ属の多年草。別名がノハカタカラクサ(野博多唐草)で、南アメリカ原産。日本には昭和初期に観賞用として持ち込まれ…

ヘメロカリス(ステラデオロ)の花

ヘメロカリスはギリシャ語で「一日の美」という意味で、「デイリリー(Daylily)」とも呼ばれるユリ科の一日花です。一つの花は朝開いて夕方から夜にはしぼんでしまいますが、1本の花茎から約10~30個のつぼみをつけ、それが次々と咲き、長く楽しめます。 ヘ…

ふるさと雑想

(1)ふるさと化し、脱ふるさと化する物語 様々な人々が日本に渡来し、彼らが知識、技術、思想、宗教などをもたらし、それらが国をつくる礎として利用され、奈良や京都を中心に日本の国造りが始められます。その建国の歴史には実に多くの外来のものが移入さ…

キョウガノコ(京鹿子)の花

日本産の園芸種(あるいは原産種)で、長い歴史がある。赤紫の花穂と掌状の葉が和の趣を感じさせ、根強い人気がある。一昨日シモツケを紹介したが、花はそのシモツケによく似ている。だが、草姿と葉は随分と違う。シモツケは花木で、キョウカノコは草花であ…

「山椒大夫」を掘り起こす:せっかちな中間報告

私の幼児の頃の刷り込みや小学生時代の学習となれば、絵本、漫画、読経、浪花節、歌謡曲、民謡、そして青春時代の様々な音楽であり、それらが説経節を聴く際の背景を作っています。私の場合、特に読経、浪花節、民謡が説経節、瞽女唄に繋がっています。演奏…

メドウセージ(サルビア・ガラニチカ)の花

英名メドウセージはサルビア・プラテンシスを指すのですが、日本ではサルビア・ガラニチカ(Salvia guaranitica)がメドウセージと呼ばれています。これは日本にサルビア・ガラニチカが輸入され始めた頃に流通業者が間違って名づけてしまったためと言われて…

ムラサキツユクサの花

夏の早朝、露に足を濡らしながら見たツユクサの青色はしっかり憶えている。ツユクサは野生種で、ムラサキツユクサはその園芸種の名前で通っている。既にムラサキツユクサが咲いていて、ツユクサより大柄で、花も大きい。 ムラサキツユクサはツユクサ科ムラサ…