2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ユスラウメの花

ユスラウメ(梅桃、梅桜、桜桃、山桜桃梅)は、中国原産のバラ科サクラ属の落葉低木。サクラが咲くころに、画像のような、サクラやウメに似た花を咲かせる。花の色は白またはピンク色で、葉が出る前に咲くケースと、葉と同時に咲くケースがある。「ユスラ」…

現象と仮象、実在と物自体

彼岸でも此岸でも「仮象(Schein)」とは架空のもの、フィクション、創作されたもののことです。偽物であって実在しなくても、美術作品、文学作品の中の仮象は有意味で、必要なものだと思われています。プラトンは「イデア」こそが真の実在で、知覚される現…

陽光(ヨウコウ)

新型コロナウイルスの流行で花見どころではなくなっている。花見の主役ソメイヨシノに先駆けて、淡い赤紫色の一重咲きのヨウコウが既に満開を迎えている。豊洲や有明に意外に多いのが「陽光」という桜である。ヨウコウは日本原産の交雑種で、高岡正明がアマ…

老人の感想

安倍首相の記者会見のNHKの中継を見ながら、私がオヤッと思ったのは、首相がどこを向いて誰に話しているのか、でした。首相は記者に向かって話していたのですが、カメラを見て国民に向かって話すのが適切な内容でも、眼は記者の方を動き回っていました。それ…

アオキの花

アオキ(青木)はアオキ科アオキ属の常緑低木で、既に何度か紹介してきた。「アオキ」という和名は常緑で枝も青いため。実の落ちたアオキを久し振りに見ると、枝先に小さな花の塊のようなものが見える。このところ小さな花につい眼が向いてしまうためか、近…

実在、感覚、そして、言葉の間で(2)

<固有名詞の確定記述や因果説について議論する前に> 固有名詞は確定記述(definite description、固有名詞が何を指示するかを決定できる文の集合)によって表現されるような意味をもつのか、それとも端的に対象を指示するだけなのでしょうか。このような問…

アキグミ

アキグミ(秋茱萸)はグミ科グミ属の落葉低木。3月に入り、若葉が見え始めたと思っていたら、何と白い花が見える。普通の説明によれば、5月に花が咲くとあるので、随分と早い。樹全体ではないので、狂い咲きかも知れない。最近では早く咲く花は珍しくなくな…

カントの時間と空間

カントは『純粋理性批判』という厳めしいタイトルの著作の第一部「超越論的感性論」(このタイトルはさらに厳めしい)で、時間と空間に係る議論を展開している。人が対象を知るのは、知る対象が私たちの意識を刺激することから始まると捉えられ、その刺激に…

日本の積極的疫学調査

韓国では3月5日現在、PCR 検査を受けた人が延べ14万775人。その結果、5776人の感染者。日本の検査数は3月4日現在、延べ8111件で、韓国の17分の1ほど。韓国は「疑わしき者は検査する」という方針から、重症者に限らず、無症状者、軽症状者にも検査し、発見に…

小さな野生(2)

野原の雑草の多くは春に小さな花をつける。そんな花には老眼泣かせのものが多い。それを2回に分けて眺めてみたい。既にアメリカフウロ、コメツブツメグサ、キュウリグサ、ヒメオドリコソウなど、とても小さい花をつける野生の花々を紹介したが、どの名前も園…

実在、感覚、そして、言葉の間で(1)

・あること、存在すること、実在すること ・感じること、見えること、聞こえること ・述べること、表現すること、話すこと これら三つの項目の間で何が同じで、何が異なるのか。あるいは、何が主で、何が従なのか。これら三つの項目が意外にも考えるべきこと…

小さな野生(1)

野原の雑草の多くは春に小さな花をつける。そんな花には老眼泣かせのものが多い。それを2回に分けて眺めてみたい。既にアメリカフウロ、コメツブツメグサ、キュウリグサ、ヒメオドリコソウなど、とても小さい花をつける野生の花々を紹介したが、どの名前も園…

主観、客観について、能を参考にすれば…

私たちは見るもの、聞くものを所与のもの(the given)、生の情報やデータ(raw information, raw data)として、まずはそのまま直接に受け取る。兎に角、まずはそれらに気づくのである。気づいたものについて疑うのは受け入れた後である。わかるものとわか…

トキワイカリソウ(常磐錨草)

花姿が船の錨にそっくりで、日本海側では冬でも葉や茎が枯れずに残り、春の花が咲く頃に世代交代する。そのため、「常盤錨草」で、妙に納得できる。分布は北陸、山陰の日本海側に多く、ほとんどが透明感のある白花(画像)。本州の日本海側の多雪地帯の林縁…

私が生きる世界(8)

10 「決める」と「決まる」 因果的な決定性は表現される内容の決定性のことであり、物理的な自然法則、例えば運動法則にしたがって物理系の状態が決まっていくように、物事が「決まる」ような仕方で見つけることができる。非因果的な決定性は表象の形式に関…

感染症の流行予測

小学生の和夫君のまとめは、次のようなものでした。R0が1より大きいと世代のサイズが拡大再生産していきます。そのときには感染者人口の成長率が正になって流行が拡大していき、逆にR0が1より小さかったら、流行は自然に消滅します。R0 が1より大きければ流…

ロドレイア ヘンリー

ロドレイア ヘンリーは、中国南部からミャンマーを原産とするマンサク科の常緑樹。春先に咲く花が美しく、近年よく見かけるようになった。別名はシャクナゲモドキだが、ロドレイア ヘンリーモドキがシャクナゲだと言った方が腑に落ちる。とはいえ、毎日眺め…

リキュウバイの白い花

昨日不明の白い花としてカジイチゴと並べて画像を出しましたが、答えはリキュウバイ(利休梅)。リキュウバイはバラ科ヤナギザクラ属の落葉低木で、中国の長江下流域が原産。別名はウメザキウツギ、バイカシモツケ、ウツギモドキ、マルバヤナギザクラと様々…

中学2年生和夫君の家庭学習

和夫君は毎日放送される新型コロナウイルスに関する感染者数の増加とその対策について耳に入ってくる事柄を考えながら、つまるところ今の私たちにできることは二つしかないとまとめました。一つは現状への対策、もう一つは治療手段の開発で、前者は現場での…

私が生きる世界(7)

9 意味、情報、知識 因果的な生活世界と違って、意味の世界は因果的ではないと考えがちである。だが、よく考えてみると何かを解釈し、それを有意味なものとみなすには、因果的であることが不可欠で、意味をもつためには因果的である必要がある。生活世界の変…

カジイチゴの白い花

白い花を見つけて、随分と同定に手間取った。イチゴの類が意外に多く、バラにも似たものがあったためだ。クサイチゴは草本、つまり草(くさ)だが、カジイチゴは低木である。背の低いカジイチゴは、クサイチゴと区別しにくい。だが、葉の形がまったく違うの…

日曜日に読んでみよう

進化生物学は適応戦略の損得をベースにしたモデルをよく使います。ある形態、器官や組織をもつことがその生物の生存に有利か不利かによって種や集団の存続が決定されると考え、そのモデルをつくることによって説明します。モデルによる物語制作は科学では通…

ボケの花

既にボケについて述べたが、その際新潟市の小須戸のボケ栽培について記した。今日(3月8日)まで小須戸の「うららこすど」で日本ボケ展が開かれている。私の周りでもあちこちで木瓜が花を開き、春を告げている。ボケ(木瓜)はバラ科ボケ属の落葉低木。画像…

私が生きる世界(6)

8(因果的でない)確率・統計的な世界 数学者の意識からなる心理世界の変化は因果的でも、数学の世界はイデアの世界に似て因果的ではない。さらに、言語の世界も因果的ではないと考えられる。ところで、「言語の世界」とは文法の世界なのか。それとも文章が…

ハナニラの花

ハナニラ(花韮)はアルゼンチン原産で、明治時代に観賞用として導入され、それが逸出し、帰化した。画像も道端で花をつけたハナニラである。名前の通り、葉にはニラやネギのような匂い(臭い)がある。野菜のニラは別属。直径2cmほどの白色の鱗茎から10〜25…

私が生きる世界(5)

7 古典力学と生活世界 「私が生活する世界は古典力学がつくった世界だ」と言うと、きっと様々な誤解や反発を生むことだろう。この命題は「生活世界は力学の世界とはまるで異なる」と考える人には端的に誤った命題である。また、いまどき古典力学を信じる人な…

ペストの大流行から

COVID-19の流行を考えるために過去のペストの例を考えてみましょう。 ペストの大流行はこれまで3回ありました。最初は14世紀で、アジアからヨーロッパにかけて大流行したのが黒死病(=ペスト)で、西ヨーロッパの人口の3分の1が死にました。1346年コンスタ…

ハクモクレン

ハクモクレン(白木蓮)はモクレンの仲間で白色の花をつける。私は子供の時からハクモクレンをモクレンと思い込んでいた。その「木蓮」という名前はハス(蓮)に似た花が咲く木という意味で、私の中では仏教と結びついていたようだ。白い清楚な花は新葉が出…

私が生きる世界(4)

6 幾何学の大いなる野望:点 ユークリッド幾何学の野望は「点」に秘められ、「点」に込められている。[1]大袈裟に言えば、点がその後の私たちの生活世界を運命づける最も重要な鍵を握っていたのである。点を使って世界の様々なものを表示することができる故…

COVID-19

2月29日 無知の強要 何の根拠や理由も言わずに強いられる要請にすっかり慣れ、テレビや新聞の言うことしか聞こえてこず、藪の中の状態はこの情報社会にあって何とも不可解。理由に触れずに、イベントを中止し、学校を休校にすると言う。無知ゆえに人々は盲信…