白い花を見つけて、随分と同定に手間取った。イチゴの類が意外に多く、バラにも似たものがあったためだ。クサイチゴは草本、つまり草（くさ）だが、カジイチゴは低木である。背の低いカジイチゴは、クサイチゴと区別しにくい。だが、葉の形がまったく違うのだ。カジイチゴの葉にはカエデのような切れ込みがある。同じカエデ型の切れ込みのある葉をもつのがモミジイチゴだが、カジイチゴはモミジイチゴとは異なり、花は上を向いて咲き、画像のように花弁に縮れが目立つ。暖かい地方の海岸付近に自生するが、私の見たものは当然ながら植栽品。庭木としてよく栽培され、和名は葉がカジノキに似ていることからつけられた。トウイチゴ（唐苺）という別名があるが、中国には自生しない。
ところで、最後の画像はカジイチゴではない。別のイチゴなのか、それともノバラ（野薔薇）なのか、はたまた第三のものか、ご存知の方に教えていただきたい。
