ジョロウグモの産卵

 ジョロウグモのメスは産卵のために卵嚢(らんのう)をつくります。産卵し終えても、そこから離れることはありません。自分の脚をしっかりと糸に絡ませ、卵を守り続けます。卵を産み終えたメスは、膨らんでいた腹が萎み、すっかりその姿が変わっています。やがて、多くのメスは、老いて死んでいきます。これが晩秋から初冬に見られる一般的なジョロウグモの産卵風景です。

 研究報告によれば、卵嚢を離れてからのクモは、卵嚢の近くで死亡した例が66 頭、網を張った例が315 頭、徘徊が22 頭、行方不明が251 頭で、12 月の産卵では死亡,行方不明個体が多かったという結果があります。この結果を見ると、産卵後のメスはそのまま死ぬのではなく、様々であることがわかります。

*卵嚢は卵を包んでいる丈夫な袋状のもので、卵を外敵から保護し、しっかり固定する役割を持っている。

**クモの数え方は学術的には「頭」、日常的には「匹」

***画像は産卵直前の個体