ススキの穂

 ススキはイネ科ススキ属の植物。尾花(おばな)とも呼ばれ、秋の七草の一つです。また、茅(かや、「萱」とも書く)と呼ばれ、有用植物の主要な一種。かつて茅は農家で茅葺(かやぶき)屋根の材料に用いられ、家畜の餌として利用されていました。そのため、集落の近くに刈り入れをするススキの草原があり、これを茅場(かやば)と呼んでいました。この茅場を焼くことを茅場焼きと呼び、それが妙高市の今の「艸原祭」(大かやば焼き(火文字))となっています(*)。

 ススキの穂が秋風になびく姿は見飽きない風景で、妙に落ち着くのですが、それに似た景色をチカラシバやメリニスでも味わうことができます。チカラシバはススキに似た大型の雑草で、開花は秋。画像は緑色の毛を生じるアオチカラシバです。最後の画像はメリニスの園芸種サバンナで、ブルーグリーンの葉とルビーレッドの穂の組み合わせが美しい人気のグラス。穂は初夏~晩秋まで長く楽しめます。

*「ススキ」は植物の「ススキ」しか指しませんが、「カヤ」は「ススキ」の他にもチガヤ属の植物やスゲ属の植物などを含みます。「ススキ」は枯れる前のものを指し、「カヤ」は枯れた後のものを指します。