秋のコスモス、ススキ

 キク科のコスモスの花が秋に咲き、花弁の形が桜に似ているので、「秋桜」と書いて「コスモス」と読んだのはさだまさしで、曲のタイトル「秋桜」を「コスモス」と読ませ、山口百恵が昭和52年に歌いました。そのコスモスの開花時期は7月末から12月頃までと長く、原産地はメキシコ。今では日本の秋の風物詩となっています。

 コスモスはギリシャ語の「秩序」、「飾り」、「美しい」という意味ですが、多くの人は宇宙のことを連想する筈です。「コスモス」の対義語は「混沌」を意味する「カオス」です。コスモスは宇宙を秩序ある、調和のとれたシステムとみなす宇宙観のことです。

*space:宇宙空間、universe:全宇宙

 ススキ(芒、薄)はイネ科ススキ属の植物で、カヤ(茅)と呼ばれる有用植物の主要な一種です。かつての農家で茅葺(かやぶき)屋根の材料になり、家畜の餌としても利用されてきました。集落の近くに共同で刈り入れをするススキの草原があり、茅場(かやば)と呼ばれていました。

 ススキの別名は「尾花」で、秋の七草の一つ。「尾花」は花穂が獣の尾に似ていることからきています。それゆえ、枯れすすき(枯薄)は枯れ尾花(かれおばな)であり、現代でも「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という諺はよく使われます。

 暑い夏が過ぎ、大型の台風が来て、季節はいつの間にか秋。秋を感じさせるコスモスとススキが目立つようになっています。