ススキ

 ススキ(芒、薄)はイネ科ススキ属の植物で、カヤ(茅)と呼ばれる有用植物の主要な一種。農家で茅葺(かやぶき)屋根の材料にし、家畜の餌としても利用してきました。そのため集落の近くに定期的に刈り入れをするススキの草原があり、茅場(かやば)と呼ばれていました。

 ススキの別名は「尾花」で、秋の七草の一つ。「尾花」は花穂が獣の尾に似ていることからきています。それゆえ、枯れすすき(枯薄)は枯れ尾花(かれおばな)であり、現代でも「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という諺はよく使われます。ススキの「スス」は、葉がまっすぐにすくすく立つことを表わし、「キ」は芽が萌え出でる意味の「萌(キ)」だと言われています。

 俳句の季語では秋ですが、「末黒の薄(すぐろのすすき)」=焼野の薄は春の季語、「青薄」は夏の季語、「枯薄」は冬の季語というように一年を通じて登場します。

 ススキとオギ(荻)、ヨシ(葦)はすべてイネ科の植物で、とてもよく似ています。ススキは山野や路傍の至る所に生え、オギは主として河岸のような湿地に生えます。

*画像は最初の三枚が今頃のススキ、最後の二枚は10月初旬のススキです。

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