スイフヨウの花

 種小名 mutabilisは「変化しやすい」(英語のmutable)の意味で、中国中部原産のフヨウ(Hibiscus mutabilis)の園芸品種がスイフヨウ。開花直後は白色だが,次第に赤く変わっていく様子を酒に酔う人の顔色の変化に見立てた、粋な名前である。普通のフヨウより花は一回り大きい。

 スイフヨウの花の色は朝に白、午後に桃色、夕方には紅色に変化する。その花色の変化を観賞するため、庭園や公園に植栽される。室町時代には栽培されていた記録がある。

 フヨウは「芙蓉」と書くが、芙蓉は蓮の花を指し、それと区別するためには「木芙蓉」とも言った。スイフヨウの花はフヨウと同じ一日花。

 花色が変化するスイフヨウだと私がわかったのは、前日の萎んでしまった花の色が紅色だったことからの推測だった。それで、三つの異なる時間(午前10時、午後1時30分、午後2時30分)で花色を比較してみた。予測通り、白から色づいて行くことがわかった。