スイフヨウの花

 スイフヨウはフヨウの園芸品種。花の色が朝は白、午後は桃色、夕方は紅色に変化するので、「酔芙蓉」と名がついた(画像は八重のスイフヨウ)。時々気にしてフヨウの花を見ていたのだが、なかなかスイフヨウを見ることができなかった。だが、10月に入り偶然に遭遇、午後まで白い花が残っている。萎んだピンクが見えるが、白とのコントラストが美しい。

 遠く平安の頃から観賞され、人々に愛されてきたフヨウの花。古くから栽培されているにもかかわらず、ムクゲと違って変異が少ない。確かに、昨今様々なムクゲが歩道に植えられている。フヨウの数少ない園芸品種の一つがスイフヨウ

 「芙蓉」は中国ではもともと「蓮の花」のこと。水の中に咲くものを水芙蓉、木に咲くものを木芙蓉と呼んでいた。日本では、蓮を芙蓉という習慣がないので、芙蓉といえば木芙蓉のこと。朝に咲き、夕方には萎んでしまう一日花で、早朝に開花したときには本来の淡紅色、夕方になるにしたがって、その色は次第に濃くなり、そして萎んでいく。一方、スイフヨウは、朝は純白、午後には淡い紅色、夕方から夜にかけては紅色になる。酒を飲んで顔色が赤みを帯びるのに似ていることからこの名がついたようである。

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