「名山や格の高い山は」という問いが出されると、山は高ければいいというものではないなどと言う輩も多く、公平に山を評価しようという人にとって、山の高さの評価は意外に定まっていない。山を愛する人たちはどんな基準で山を評価しているかとなれば、それは人によってまちまちで、個人の好みが優先される。とはいえ、富士山が日本で二番目、あるいは三番目に高い山だったら、私たちは最高峰でない富士山をどのように遇し、評価するのか、はっきりしていないのではないか。兎に角、山の格を決める中に標高が入っていることは否定できないだろう。
高さだけ比べるならば、新潟県の高山の上位は北アルプスにあり、県の端に集中し、偏っている。妙高市民なら最高峰は火打山と答えるかも知れない。だが、火打山は5番目、そして肝心の妙高山は6番目。そこで、気になる肝心の順位を下に挙げておこう。上位4位までの山は北アルプスの一部で、それらの山格、山容を妙高山と比べるなら、いずれが高い格を持つと評価されるだろうか。標高と山格、山容は違うのだが、人はそれら両方を名山に求めてしまうようで、(背の高い二枚目が好きな)人の本性を垣間見ることができる。
1小蓮華山(北アルプス)2766m
3鉢ヶ岳(北アルプス)2563m
*飛騨山脈(北アルプス)北部の後立山連峰にあり、長野県と新潟県にまたがる。飛騨山脈南部の乗鞍岳と区別するために、一般には白馬乗鞍岳と呼ばれる。
8焼山(妙高山系)2400m
10佐武流山(苗場山系)2192m