ホオズキ

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 浅草寺では江戸時代より毎年7月の9日と10日の四万六千日の縁日に、「ほおずき市」が催されているが、今年はコロナ禍で開催中止となってしまった。浅草寺では古くから観音様の縁日が開かれていて、室町時代以降に「功徳日」の風習が加わり、この功徳日は享保の頃には「四万六千日」(46,000日分の御利益の意味)と呼ばれるようになった。浅草寺ほおずき市は60万人以上の人出があり、浅草寺の境内を通学路にしていた私には懐かしい縁日である。

 ホオズキ(鬼灯、鬼燈、酸漿)は、ナス科ホオズキ属の植物で、淡い黄色の花を6月から7月頃に咲かせる。この開花時期に合わせて日本各地で「ほおずき市」が開催されている。花の咲いた後に六角状の萼(がく)の部分が発達して果実を包み袋状になり、熟すとオレンジ色になる(画像)。この袋部分の中に、外側と同じオレンジ色の球形の実がある。子供の頃、この実の中身を楊子などで掻き出して皮だけにしたものを口にして鳴らした記憶が微かにある。富山の薬屋の紙ふうせんとこのホオズキの空の実が記憶の中で重なり合っている。