秋の三種のクモ

 日本でよく見る大型のクモの代表はジョロウグモナガコガネグモコガネグモ

 ジョロウグモのメスの腹部の形は楕円形で、脚は細長いのが特徴。腹の模様は黄色と青緑色の縞模様が入る。腹部の裏には赤い色の紋がある。ジョロウグモは造網性のクモの中でも特に大きく、美しい網を張る。コガネグモのメスはジョロウグモに比べて幅広く、黄色と黒の横縞模様が入る。ジョロウグモほど大きな網は張らないが、円網が綺麗なのが特徴。脚はジョロウグモよりも少し太め。ナガコガネグモのメスは腹部が楕円形をしていて、少し尖っている。また、腹部の色は黄色、黒、白の横縞がまばらに入る。名前の通り、腹がコガネグモよりも長く、見た目がスマート。

 女尊男卑がこれら三種のクモの世界。コガネグモの雄は触肢という生殖器官を1組だけ持ち、1回の生殖行為に触肢1本が必要であるため、最大2回しか交尾できない。コガネグモの雌は、交尾が10秒以上かかると、自分よりもはるかに小さい雄を食べてしまう。ナガコガネグモの雌雄の同居期間はお盆頃で短く、オスはメスの最終脱皮直後に求愛するが、メスに捕食される場合がよくある。ジョロウグモのオスはメスの半分以下の大きさしかない。ジョロウグモのメスは目が悪く、巣にかかったものは何でも食べてしまい、交配のために近づいたオスも気づかずに食べられる場合がある。なんとも男女不平等の世界がクモの世界である。

ジョロウグモ

ナガコガネグモ

コガネグモ