梅雨のキノコ

 雨が続くと、公園の芝生に顔を出すのがキノコ。都会生れのキノコはそれほど珍しいものではない。ヒメホコリダケ、シバタケなどが顔を出している。最初にキノコを食べた人はどんな思いで口に入れたのか、つい考えてしまう。

 そもそも「キノコ」は菌類がつくる子実体(しじったい)の比較的大型のものを指している。朽木や木に出てくることが多いので、「木の子」というのがその語源。そんなキノコを見ながら、「なぜ「…タケ」なのか?」といういつもの非生産的な問いがさらに浮かんでくる。確かに、キノコ類の名前はその種類を表す接尾辞として「たけ」がつくものが多い。

 とりあえずの解答は「キノコ(茸)は総称で、「…タケ」は特定のキノコの種類を指す」。それで一件落着なのだが、「どうして茸は晩秋の季語なのか」という別の無為な問いが浮かんでくる。