ノアサガオの花が咲き出す

 アサガオは夏の花ということになっているが、野生のアサガオノアサガオが花をつけ始めた。樹木に巻き付き、樹上で咲くノアサガオの逞しさには脱帽である。「野朝顔」とは何とも味気ない名前に聞こえるのだが、「野菊」や「野薔薇」は多くの人が文学的な味のある名前だと思っている。では、どうして「野朝顔」は味気ないのか、私にはよくわからない。アサガオは昔から園芸種で,野の草ではなかったからなのか。確かにノチューリップは変である。

 ノアサガオは熱帯から亜熱帯地域に自生する蔓性の多年草で、沖縄では海岸付近に旺盛に繁茂している。画像のような赤みのある青色の花が代表的だが、昨今の「緑のカーテン」ブームによって、注目されている植物の一つで、窓や壁を覆って日ざしを遮り、柔らかな日陰をつくってくれる。そのためか、湾岸地域でもよく見ることができる。

 ノアサガオ一年草アサガオと比べても格段に強く、10m以上もその蔓を伸ばす野生の強さをもっている。開花期間も長く、霜が降りる11月まで咲き続け、10月上旬には花数が最も多く、美しくなる。しかも、ヒルガオのようにその花は夕方まで咲き続けるのである。