桜花咲き終えるまで歌と句を花に重ねてひとり愉しむ

西行 願はくは花の下にて春死なむその如月の望月の頃

(願うなら、春に桜の下で死のう。二月(陰暦)の満月の頃がいい。)

在原業平 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし

(世の中に桜がなければ、のどかに春を過ごせるのに。)

馬場あき子 さくら花幾春かけて老いゆかん身に水流の音ひびくなり

(桜の花はどれだけの春を重ねて老いてゆくのか。老いた身に、水流の音が響く。)

 

小林一茶 さくらさくらと唄はれし老木哉

種田山頭火 さくら咲いてなるほど日本の春で

村上鬼城  ゆさゆさと大枝ゆるる桜かな